どこでもならはくオンラインNNM ONLINE

奈良博手帖

当館研究員が日々の研究や活動についてさまざまな視点でご紹介します。
※読売新聞奈良版に連載している「奈良博手帖」を読売新聞社の諒解のもとに転載しております。
研究員の肩書きは執筆時となります。

2023.02.15 (Wed)

文化財修理を支える 古糊の仕込み

雪もちらつく大寒(だいかん)の1月21日、文化財の修理工房である坂田墨珠堂(大津市)の「寒(かん)糊炊(のりた)き」に参加させていただいた。1年に1度、大寒の時期に各工房で仕込みの行われる古糊(ふるのり)は、書画を掛軸や巻子(かんす)に仕立てる際に伝統的に用いられてきた特別な接着剤である。

2023.02.01 (Wed)

制作地 文様から推察 正倉院宝物「紫檀木画箱」

今から約1300年前、天平勝宝4年(752年)4月9日に東大寺大仏開眼会が営まれた。正倉院には、そこで使用された品々や献納された品々が多数伝わっている。華やかな宝物を間近にすると、奈良時代の仏教法会がどのようなものだったのか、その場を見てみたくなる。

2022.12.21 (Wed)

仏教工芸品の「用の美」 正倉院宝物「鉄三鈷」

博物館で仏具を中心とした仏教工芸品の保存・展示に携わる身として、最近感銘を受けることがあった。今年も当館で正倉院展が開催され、至宝の数々が会場を彩ったが、そのなかの「鉄三鈷」という宝物に、私は強く魅了された。その形姿が実に見事で、美しかったからだ。

2022.11.30 (Wed)

信仰の拠点で往時思う 経典が奉納された大山

奈良国立博物館の所蔵品に重要文化財「法華経(色紙)」という、巻によって異なる色の紙を使った平安時代の写経(8巻)がある。各巻の巻末には「奉施入大山権現 三院学頭 西明院々主真林房増運」のような奥書があり、この写経が伝来の過程で一時期、大山(鳥取県)にあったことが分かる。

2022.11.16 (Wed)

作り手の仕事 追体験 ラブリーな正倉院宝物

大学生の頃、アイルランドのダブリンで英語の勉強のために2週間だけホームステイをしたことがある。ホストファミリーは当時50歳代後半くらいのご夫婦だった。そのとき奥様が「ラブリー」ということばを多用していたのが印象的で記憶に残っている。

2022.11.02 (Wed)

最も「著名」な館蔵品 「聖徳太子二王子像」模本

写真に掲げたのは聖徳太子の大変有名な肖像画。この姿を見て歴史の教科書や旧1万円札の図柄を思い起こす人も少なくないだろう。しかし、本作品が当館を代表する館蔵品であると聞くと、意外に思われるに違いない。