物を捨てられない人種「ステラレネーゼ」が多く集まる博物館。そんな博物館で行われた“断捨離”事業での苦労と、そこから見えてくる文化財保存の極意についてお話しします。
10月16日(日)「古代の戸籍と正倉院文書について」今から1300年以上前の飛鳥・奈良時代に作られた日本の戸籍について、その制度と実態をお話しします。現存する戸籍の多くは正倉院に伝来しましたので、今回は正倉院文書の全体像にも言及しつつ、戸籍を読んでみたいと思います。
11月20日(日)「古写真と仏像研究」たった1枚の古写真が、仏像の知られざる歴史の一側面を明らかにすることがあります。仏像研究における古写真の有用性について、近年の調査成果をふまえてお話しします。
12月18日(日)「如来像の着衣について」奈良国立博物館が今年制作した仏像のレプリカなどを用いて、飛鳥時代から鎌倉時代までの仏像が、どのような衣(ころも)の着方をしているのかを分析し、仏像の衣文の美にせまります。
7月17日(日)「平安貴族と装飾写経」写経は、本来経典を学んだり、功徳を積むために行うものでした。
平安時代、貴族たちは趣向を凝らし飾り立てた写経を作り出します。その背景にある信仰と文化について、ご紹介します。
奈良博のコレクションは仏教美術だけではありません。世界の人々を魅了する縄文土器や土偶、そして謎多き銅鐸や銅矛たちもいるのです。今回は普段あまり出番のない彼らを主役に、縄文・弥生の美術にまつわる「通」なお話をしたいと思います。
9月18日(日)「明恵上人をめぐる仏教絵画」鎌倉時代はじめに明恵上人(みょうえしょうにん)によって創建された京都栂尾(とがのお)高山寺には、創建期にさかのぼる仏画の優品が数多く伝わります。その代表作である国宝仏眼仏母(ぶつげんぶつも)像を中心に、造形に込められた明恵の仏教信仰を読み解きます。
4月17日(日)「薬師如来像をめぐって」薬師如来は、左手に良薬の入った壺「薬壺」を執るすがたでよく知られています。日本では平安時代に薬師信仰のブームが起き、多くの彫像が造られました。今回は平安中期(10-11世紀)の作例を中心に取り上げ、その信仰背景と魅力をご紹介します。
5月15日(日)「文化財を加害するムシの話」自然界には多くの昆虫がおり、その中には博物館の収蔵品(文化財)を加害する昆虫もいます。害虫から文化財を守るためにはまず、相手(害虫の種類)を知る必要があります。文化財を加害する害虫の種類やその防除法についてお話しいたします。
6月19日(日)「文化財の健康診断ー X線CT調査でみる文化財ー」2017年に大型文化財用X線CTスキャン装置を導入して以来、奈良博は数々のCT調査をおこなってきました。文化財の内部に秘められた構造・製作技法・劣化状況・修理歴など、実際のCT調査結果と共にご紹介します。