2023.05.03 (水)

仏教美術に親しみを 「体験学習スペース新設」

 

 奈良国立博物館は、仏教美術を主に展示している博物館です。けれど、「仏教美術」と聞くと、何だか難しそう……とイメージされがちです。子どもから大人まで、より幅広い層に仏教美術に親しんでほしい、そのために仏教美術について体験的に楽しく学習できるような環境を提供しよう、と少しずつ準備を進めてきました。

 

 そして今年の春、なら仏像館と、主に特別展会場となる新館をつなぐ地下回廊の一角に、仏教美術について楽しく学べる、ならはく教育普及スペース「ちえひろば」を新設しました。

  

 「ちえひろば」は、5月にオープンします。5月14日以降は、「まいにちワークショップ」と「とくべつワークショップ」を定期的に開催します。まいにちワークショップは、開館日に毎日開催するもので、仏教美術に関するクイズやハンズオン(触る)展示をお楽しみいただけます。

 

 一方、とくべつワークショップは、毎月第2、4日曜に開催します。第2日曜には、裸の仏像のレプリカに服を着せるワークショップ「ほとけさまに服を着せよう!」を、第4日曜には、大きなサイズの絵巻物「びっくり絵巻物」で紙芝居ならぬ絵巻芝居を楽しめるほか、絵巻物のレプリカを実際にくるくると巻きながら鑑賞していただけるワークショップ「絵巻物をみて!きいて!さわろう!」を開催します。

 

 これらのワークショップが、仏教美術や奈良博ファンが増えるきっかけになることを願いつつ、オープンに向けて準備を進めています。ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。

 

(奈良国立博物館教育室研究員 翁みほり)

 

5月にオープンする教育普及スペース「ちえひろば」

 

  

[読売新聞(奈良県版・朝刊) 2023年4月26日掲載]

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