2025.12.10 (水)

魅力発信 真価未来へ　開館130年 広報室新設

　「本展覧会の成功は、皆様のお力にかかっております」

　展覧会開幕前日、報道内覧会の挨拶で当館館長が決まってメディアの皆様にお伝えする言葉です。既存の部署を引き継ぐ形で4月に広報室が新設され約半年、報道内覧会の運営やメディアの皆様との関わりから館長の言葉の重みが分かってきました。

　博物館の広報室に採用が決まり、SNSやたよりの作成をするのかなと心踊らせた春。初めての展覧会は、来場者数歴代3位、33万人を超えた特別展「超 国宝」でした。ウェブページ作成、チラシ送付、取材対応、記事の校正からプレスリリース発信、そして報道内覧会の運営……。想像以上に多岐に渡る広報という仕事、初めての業務で慣れない中、館内外の多くの方々に助けていただきました。

　報道内覧会には国内外100を超えるメディアの参加があり、会期中もたくさんご取材いただきました。特集記事や番組、各種報道・広告、ポスター掲示のご協力、来場された方のSNS投稿やクチコミ等、関係各所とお客様の多大なるご協力で大成功と言える展覧会となりました。

　さて、当館は開館130年を迎え、「新奈良博宣言」という新たな指針を掲げています。その中にある「『なら』の魅力を広く国内外に発信し、その真価を未来に伝えて行く」。当館には、奈良を始めとした地域の仏教美術が集まります。皆様のお力を拝借しつつ、奈良博、そして奈良の魅力を発信していけたらと思います。SNSにはぜひ、#奈良博 を！

（ 奈良国立博物館広報室アソシエイトフェロー    久松優菜 ）

［読売新聞（奈良県版・朝刊）　2025年12月3日掲載］